省略して切り取るけど、小出楢重の随筆に登場する「その白い砂地に強い日光が照り付け、松の影が地に落ちると、ただ世界はきらきらとまぶしく光るだけである。」というオリーブ林と松林に関する色彩の違いについて言及した一文の、「ただ世界はきらきらとまぶしく光るだけである」というフレーズがとてつもなく好きで、ことあるごとに引用していきたい。文脈が異なる話題のなかにすら唐突に捻じ込みたいくらい。“ただ”という前置きが素っ気なく感じられ、何も特別なことなんてなくて、“そうであること”が普通だという。だから結びが“だけである”となるのかな。それって素敵な発見じゃないかな。
コメントを書く...
Comments